高齢者の虫歯になるリスクについて

高齢者の虫歯になるリスクについて

こんにちは
武豊町のとみ歯科クリニックです(#^^#)

 

 

高齢になるにつれて虫歯になるリスクが少しずつ上昇します。

その理由や対策について、今回は詳しくお話しします。

 

歯周病の罹患リスクが高いため

高齢者は歯周病にかかっている割合が高く、歯周病がある程度進行すると歯茎が退縮して減っていくので、今まで歯肉に埋まっていた歯の根の部分が少しずつ露出してきます。

歯周病によって歯が長くなったように感じる方は、歯肉が退縮を起こしており歯の根面が歯茎の上に露出している状態になっています。

歯の象牙質はエナメル質と比べると柔らかいため、虫歯菌の出す酸によって溶かされるのもエナメル質より早くなります。

そのため、いったん虫歯になると進行が早く、歯の更に奥へと深い虫歯が出来てしまう危険性があります。

 

鏡を見た時に「前よりも歯茎が下がった気がする…」と感じた方は、リスクが徐々に上昇しているかもしれません。歯茎の後退は知覚過敏も引き起こす恐れがあることも踏まえ、定期検診でよく確認してもらいましょう。

 

 

唾液が少なくなる傾向がある

高齢の方は唾液が減少して、お口の中が乾き気味になる傾向があります。唾液には身体を守るための様々な作用があり、虫歯菌や歯周病菌などの細菌やウイルスからお口や喉を守っています。

唾液が少なくなると、お口の中を唾液が洗浄しきれずに食べカスなどの汚れが残りやすくなり、歯垢や歯石となって虫歯のリスクが高まります。

就寝前などリラックスした状態で、唾液腺を適度にマッサージしましょう。顎や耳の下を優しくほぐせば、唾液の分泌が促されるはずですよ。

 

 

補綴物の内部で虫歯が再発するため

過去の治療歯が再び虫歯になることを「二次虫歯(二次カリエス)」といいます。

年齢は関係ありませんが、時間の経過とともに再発の可能性が高まるので注意が必要です。このような症状が出た場合、以前の補綴物を外したあとに歯を大きく削ります。再び詰め物や被せ物をして治療は一旦終了ですが、状況次第で根管治療や抜歯を強いられる可能性もあります。

なお、以前の治療で抜髄を行っている場合は再発時に痛みが生じません。一見メリットのように思えますが、裏を返せば「進行するまで気付けない」ということです。最悪の場合、抜歯が必要になるケースもあります。

 

老化によるエナメル質の減少

歯の表面はエナメル質というとても硬い組織に覆われています。

このエナメル質は平均2~3ミリ程度の厚さしかありません。しかし歯を様々な刺激から保護してくれ、極端に高い温度や低い温度が歯にしみないようにしてくれたり、硬いものが直接喉に入らないように物理的にも守ってくれています。

 

歯の表面はエナメル質で覆われていますが、外的刺激や加齢によって徐々に擦り減っていきます。ちなみに外的刺激というのは、強いブラッシング、歯ぎしり、食いしばり等の癖などのことです。

しかしエナメル質は細胞によって作られているのではなく、ミネラルの集合体です。そのためエナメル質が一度失われて薄くなると、虫歯になりやすくなります。

 

 

虫歯の再発を防ぐには?

ミュータンス菌をはじめとした細菌が、口の中で繁殖して歯を溶かすのが虫歯の仕組みです。患部を削って詰め物等をしても、細菌が口腔内に残っていると別の場所で再発します。

 

予防をするには、口腔内へいかに細菌を残さないかという点が重要になります。

日々の口腔ケアを徹底し、歯ブラシだけではなく歯間ブラシやデンタルフロス等を使用して口腔内の汚れを落としていきましょう。

 

過去に治療をした歯は、特に丁寧に磨いてほしい部分の一つです。

歯と補綴物との境目は汚れが溜まりやすいので、しっかりと取り除きましょう。

歯間や、歯と歯茎の境目も見逃せないポイントです。

フッ素が配合された歯磨き粉やマウスウォッシュを用いて、歯質強化を図るのもおすすめです。

虫歯や歯周病予防のために、定期健診で口腔内に異常がないかチェックしてもらいましょう。

定期健診の際には歯のクリーニングも行いますので、ご自宅での歯磨きでは落とせなかった歯垢や歯石をきれいに除去できます。

虫歯も歯周病も早期発見出来れば治療も簡単に出来ますので、年に数回の定期健診をおすすめします。

 

最近、歯医者に行っていないという方は、歯科検診の予約をとってはいかがでしょうか?
年齢を重ねても健康でいられるよう、今からできることに取り組みましょう!